助動詞の「can・could・could have」は便利かつ日常生活でよく聞く助動詞の1つです。
そして、日本人にとっても一番馴染みのある助動詞かも知れませんね。
ただ、この助動詞は奥が深いんです。
「can」は「〜できる」という意味で知られていますよね。
その「can」も「〜できる」だけの意味では使われません。
「could」は「can」の過去形で「〜できた」と習ったことがあるかもしれません。
実は「could」は「現在や未来」のことでも使うことができます。むしろそっちの方が多く使われます。
そのことを知らないとリスニングで勘違いしてしまったり、表現の幅が狭くなってしまいます。
逆に、使い方を知っていると表現の幅が広がり、リスニングでも勘違いも少なくなります。
いろんな使い方や場面で使われるので、しっかりと理解して使いこなせるようになりましょう。
この助動詞は1つの単語でもいろいろな意味が含まれています。
なので、違う意味で使われることがあります。
その違いは文脈から読み取るしかありません。
その違いを考えながら例文を見ていってください。
Can
「can」には3つの意味があります。
- 〜できる(可能)
- 〜していい(許可)
- 可能性がある(可能性)
特に、1つ目の「できる」と、2つ目の「〜していい」はよく使われるので覚えておきましょう。
〜できる(可能)
一番分かりやすくて使いやすい意味ですね。
「〜できる」って例えば、「迎えに行けるよー」っていうときにも使えますね。
英語を話せない人でも「I can’t speak English」とか言ったことあると思います。
その「〜できる・〜できない」という意味ですね。
I can pick you up.
(迎えに行けるよー)
She can drive a big truck.
(彼女は大きいトラックを運転できるよ)
Can you ride an unicycle?
(一輪車に乗れる?)
John can’t play the piano.
(ジョンはピアノを弾けない)
Can you come to the party tonight?
(今夜のパーティー来れる?)
Yes, I can go to the party.
(うん、パーティーに行けるよ)
〜していい(許可)
人に許可するときや許可を聞いたりするときに使える助動詞の意味になります。
「〜していいよ」という意味になります。
You can use this room.
(この部屋使っていいよ)
He can eat the cake.
(彼はそのケーキ食べていいよ)
Can I play a video game?
(テレビゲームしていい?)
They can’t be here.
(彼らはここにいたらダメだよ)
Can I put the house plants in the living room?
(リビングに観葉植物おいていい?)
Yes, you can. That sounds good!!
(いいよ! それいいね)
〜かもしれない(可能性高)
事実は分からないけど、考えてみると「〜かもしれない」ってことありますよね。
なので、まぁまぁ確信があるときは「can」を使ってみましょう。
It can be true.
(それは本当かもしれない)
He can tell a lie.
(彼は嘘をつくかもしれない)
Can the thing happen again?
(そんなことまた起こるのかな?)
That can’t be possible.
(そんなんありえないかもしれない)
It can rain tomorrow.
(明日雨降るかもしれない)
What? I wanted to go hiking tomorrow.
(え? 明日ハイキング行きたかったのに)
can’tは「〜できない」で使われる「can」の否定形です。
notが省略されているのですが、省略しない場合は「can not」とはできず「cannnot」とくっ付けなければなりません。
これは話すときには関係ないのですが、文字として書くときは「can’t」か「cannnot」と書きましょう。
I cannot use chopsticks well.
Could
「could」はかなりややこしいです!!!
なぜなら、みなさんが知っている使い方ではないかもしれないからです。
『「can」のただの過去形じゃないの?』って思ってしまうかも知れませんがそうではないんです。
最初から使いこなすのは難しいので、ゆっくり見ていって、使いやすそうなものから覚えていってください。
- 〜できた(可能)
- 〜かも知れない(可能性)
- 〜してくれませんか?(依頼)
〜してもいいですか?(許可)
〜できた(可能)
「can」の過去形ですね。なので、「〜できた」と言うことができます。
最近のことで「〜ができたよ」というときや、過去を遡って「かつてはできたんだよ」っていうときに使えます。
I could cook sunnyside up.
(目玉焼きが上手にできたよ)
She could drive a big truck when she was young.
(若いとき、彼女は大きいトラックを運転できたんだよ)
Could you ride an unicycle?
(一輪車に乗れたの?)
John couldn’t play the piano but now he can.
(ジョンはピアノを弾けなかったけど、今は弾けるよ)
How was the marathon?
(マラソンはどうだった?)
I could run the marathon completely.
(走り切ることができたよ)
〜かもしれない(可能性低)
「can」で可能性の高い「〜かもしれない」ってありましたよね?
「could」はその可能性が低い「〜かもしれない」なんです。
しかも、今回の意味では、「現在や未来」の意味になります!
「何ぃ?過去形のcouldなのに?」という方。「canの過去形」という概念・知識は捨て去ってください!
じゃないといつまで経ってもこの表現は使いこなせません。
この表現もめっちゃ便利で使えるので使いこなせるようになりましょう。
I could be home by 9 pm.
(9時までには家にいれるかもしれない)
She could sing songs well.
(彼女は上手に歌えるかもしれない)
Could it happen?
(それは起こりうるかもしれない?)
This medicine couldn’t work for me.
(この薬は俺には効かないかもしれない)
He could be home now.
(彼は家にいるかもしれない)
Let’s call him and ask him to hang out!!
(電話かけてみて出かけられるか聞いてみよう)
〜してくれませんか?(依頼)
〜してもいいですか?(許可)
人に何かを頼むとき、「could」を使うことができます。
「could」を使うと丁寧な頼み方になります。
Could you pass me the salt?
(塩を取ってくれませんか?)
Could I use this chair?
(この椅子を使ってもいいですか?)
Could you tell me where the restroom is?
(トイレの場所を教えてくれませんか?)
Could he stay at this hotel?
(彼はこのホテルに泊まってもよろしいですか?)
Could I sit here?
(ここに座ってもよろしいですか?)
これは疑問形になるので依頼だと分かりやすいです。
どのように使われるかは文脈が大切だと言いましたよね?
上の文の「Could you pass me the salt?」だけ聞くと、「塩を私に渡すことはできましたか?」と可能の場合で訳す人はほぼいないす。
ただ、文脈によって使い方が違うところが難しいところですよね。
Could you cook for me tonight? I’m so beat today.
(今夜ご飯作ってくれませんかね?今日は疲れ過ぎてて)
Sure!! What do you want me to cook?
(いいよ!どんなもの作って欲しい?)
Could have + 過去分詞
「Could have + 過去分詞」はあまり見たことがないかも知れませんね。
この表現は過去分詞を使うため、一段と難しくなります。
しかも最初は慣れるまで言いづらかったです。
でも、この表現は自分はメッチャ使います。
使える場面や状況がかなり多いからです。
- 〜できたのに(可能)
- 〜だったかもしれない(推測)
〜できたのに(可能)
過去のことで、「実際はしていないけど、本来ならできたよ」ってときに使えます。
例えば、友達が「アイス欲しかった」と、買い物後の自分に言ってきたら「アイス買ってこれたのに」みたいな状況ってありますよね?
「もう終わった過去のことだけど、今考えたらできたのに」というときに使えます。
I could have picked you up if you told me.
(言ってくれたら迎えに行けたのに)
He could have used my car.
(彼は俺の車を使って良かったのに)
The dog could’ve waited in the house.
(その犬は家で待つことできたのにね)
Could you have told me that you were at home?
(あなたが家にいたことを言ってくれることできなかったの?)
My friend could not have come to the party if he missed the train.
(友達は電車を逃してたらパーティーに来れてなかったね )
I could’ve eaten more sushi.
(もっと寿司を食べられたのに)
I know but you ate too much.
(知ってるけど食べ過ぎたよ)
〜だったかもしれない(推測)
「本当は起こってないけど、もしかしたらこういうことが起こっていたかも知れない」という意味になります。
日本語でも言うときありますよね。「ピクニック行けたら楽しかったんだろうなぁ」とか本当はしてないけど、できてたらこうなんだろうというときに英語では「could have」を使います。
I could have missed the train.
(電車を逃してたかもしれない)
She could have bought the limited bag.
(彼女は限定のバッグを買えてたかもしない)
They could’ve come to Japan.
(彼らは日本に来れたかもしれない)
Could you have passed the test if you studied hard?
(もし懸命に勉強してたらテストに受かったんじゃない?)
I couldn’t’ve met someone if I didn’t go to the party.
(もしパーティーに行かなかったら会えてなかったかもしれない)
I told you that you should not watch a horror movie.
(ホラー映画見ない方がいいって言ったのに)
Yeah, I already could’ve slept if I didn’t watch it.
(もし観てなかったらもう寝れてるかもしれない)
「could not have」も省略できます。
「couldn’t’ve」(クドゥントゥヴ)、あまりカタカナで発音を表したくないのですが、あえてカタカナで言うならこう発音します。
最初は言いづらいかも知れませんが、省略する方が言いやすいし、楽に過去分詞を言えるので、省略形の発音をする方をおすすめします。
I couldn’t’ve played tennis yesterday.
ちなみに、「could have」で使う過去分詞形について、は違うブログ記事にて紹介していますので、見てみてください。
日常生活でよく使われる単語と一緒に紹介しています。
まとめ
今回は助動詞の「can・could・could have」についてまとめてみました。
かなり使い勝手がいいのでしっかりと使いこなせるようにしたいですね。
【can】
- 〜できる(可能)
- 〜していい(許可)
【could】
- 〜できた(可能)
- 〜かも知れない(可能性)
- 〜してくれませんか?(依頼)
〜してもいいですか?(許可)
【could have】
- 〜できたのに(可能)
- 〜だったかもしれない(推測)
「can」の助動詞だけでこんなに意味があるんですよ。
「〜できる」「〜していい」「〜かもしれない」を使い分けられるようにしましょう。
使いこなすのは大変ですが、状況を考えて使う練習をしてみてください。
英語の表現力が増えるし、言いたいことが言えるようになってきますよ。